雅堂窯二号基の築窯過程を紹介します。
初号基は2011年の大震災で損壊したので、その同じ場所に作り直すことになりました。
初号基と比べ、窯の幅と高さは2/3、奥行きは1/2の規模で、容量としては約1/3になります。
窯の種類は穴窯と呼んでいますが、産地によって呼び名は違い、蛇窯(じゃがま)というほうが当たっているかもしれません。
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斜面の傾斜角は18度です。
基準となる中心に糸を張れるように、窯の前方と後方に木材で枠を作ります。
焚き口になる場所は水平になるように掘り、さらにレンガ二段分深く掘ります。
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レンガを二段積んだところです。
一段目と二段目は目地が互い違いになるようにします。
これで焚き口と燃焼室の床ができました。
信楽式の場合、この床の上にロストルを作りますが、備前式の穴窯の場合、床の下にロストルを作ります。しかし私の穴窯はロストルなしです。
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窯壁(ようへき)と、一段目の焼成室の床になる部分のレンガを積んでいきます。
備前では、ロストルは温度が上がりにくいときに開けるもので、非常用という意味が強く、ほとんど開けることがありません。
きつい傾斜と高い煙突で温度が上がりやすい窯を作っておき、入り込む空気の量を抑え温度が上がり過ぎないように焚きます。
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さらにレンガを積み上げ、一段目の焼成室の床ができました。
一段目はレンガを五丁積んだので、目地の厚さを3mmとすると高さは340mmとなります。
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同様に二段目の小性質の床になる部分と用壁を積んでいきます。
二段目以降はレンガを四丁積み、高さは272mmとなります。
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六段目の焼成室の床までレンガを積んだところです。
窯壁は後方にしたがって天井が低くなるように設計してあります。
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煙道は以前の窯のものを使うので、煙道へのつなぎを高さ調節します。
六段目の焼成室は垂直な窯壁はなく、床からすぐに天井アーチとなります。
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窯正面が窯詰めするときの入り口であり、焼きあがった作品を取り出す窯出し口となります。
木材でアーチの型枠を作り、それに合わせてレンガを積みます。
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窯本体の天井アーチの型は竹で骨組みを組み、木材で補強用の支柱を立てます。
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骨組みの竹に板材をビニール紐で結び、型枠の完成です。
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窯後方から見たところ。
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まず燃焼室までのレンガを二重に積みます。
入り口は三重になります。
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横くべ口(わきざし)を作ります。
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片側のみ、六ヶ所の横くべです。
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横くべ口の上から通常の積み方です。
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反対側からも積んでいきます。
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両側からバランスよくレンガを積んでいきます。 |
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一重目のレンガを積み終わったところです。
アーチを閉じるときは、キーストーンと呼ばれる、ぴったり入るレンガを削って作り、ハンマーで叩いて隙間がないようにします。 |
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二重目のレンガを積み終わったところです。
小さい穴が開いていますが色見穴と言って、窯焚きはじめの段階で湿気抜きのために開けておいたり、窯焚き中に火色を見たりする穴です。 |
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窯後部のレンガを積みます。 |
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二重にレンガを積んだところです。
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窯本体のレンガ積みが終了しました。
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反対側。 |
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傾斜があるので、窯の前方に補強のための石を積みます。 |
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石をセメントで固めます。
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窯本体に、保温のための窯化粧をします。
山土+川砂+セメント+切りワラで、厚さ5cmに塗っていきます。
セメントが入っているので一気に仕上げたほうがいいので、助っ人を頼みました。
塗り終わったら固まらないうちに木材などで叩き、締めます。 |
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前の窯の煙突は損壊したので解体しました。
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補強のためにレンガを縦に入れて積みなおします。 |
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レンガ八丁で一段とします。 |
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垂直になるよう、レンガを積んでいきます。 |
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屋根の上までレンガを積み、根元からの高さを3mとしました。
四隅をアングルで補強します。 |